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CEOブログ 「そこまでやるか!?」を突き詰める
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- Category:
- コラム
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- Date:
- Jan.22.2024
KAWASHIMAのDNAを受け継いで
2024年、新しい年が始まりました。今年、川島製作所は、創業113年目を迎えます。
ここで改めて当社の歴史を振り返ってみたいと思います。1912(明治45)年の創業当初、製菓・製飴機械の製造販売を行なっていた当社は、戦後、自動包装機の研究開発を始め、1949(昭和24)年にキャラメル自動包装機をリリースして大ヒットさせました。これが現在に続く当社の包装機の始まりです。この最初の1台も、製菓メーカーから「自動で包装できる機械をつくれないだろうか」と依頼を受けたことから始まっています。
その少し後に発行された製品カタログを見てみると、ものすごく多くの機械がつくられていたことがわかります。まだ日本製の包装機が主流でなかった時代から、お客様の要望に応えるかたちでさまざまな機械をつくってきたのだと改めて感じました。
かつて、飴やお煎餅といったお菓子は、店でつくったものが瓶に入れられ、店頭で販売されていました。購入者はそれを紙に包んで手で持ち帰るか、買ったその場で食べることがほとんどだったのです。商品を包む技術が無かった時代は、モノを遠くまで運ぶことができなかったんですね。
しかし、自動包装機の登場で、工場でつくった製品を大量に、かつ品質を保ったまま、全国に向けて発送、販売することができるようになりました。包装機が支えた物流の発達により、スーパーなどの新業態が生まれ、新たな消費文化と豊かな食体験が全国に広がったのです。
「どうすれば品質を保ったまま遠方にまで商品を届けられるのか」「どうすればもっと多くの商品を生産することができるのか」、そして「どうすればこの繊細で衝撃に弱い商品を輸送できるようになるのか」……。そんなお客様からの切なる要望に応えるために、これまで世の中になかった機械を、当社の先人たちは工夫を凝らしてつくってきました。お客様は「カワシマに頼めばなんとかしてくれるんじゃないか」という期待を抱き、それに応え続けてきた結果が、これまでに生まれた多種多様な包装機だったのです。
お客様の期待以上の成果を出す先人たちの仕事ぶりは、川島製作所のDNAとして、今も当社の従業員たちに引き継がれています。
昨年は、お客様と一緒に取り組んできた生産管理システムの開発において、開発コンセプトや技術レベルなどについて、「期待以上の価値を提供してもらえた」と高い評価をいただくことができました。もっと使いやすいものを、もっといいものをと考えて、考えて、考え抜くことで、「カワシマならやってくれるだろう」という期待に応えることができたのです。
包装機と物流の広がりについてはこちらのコラムもご参照ください
時代の変化が訪れている製造現場を支える包装機
これからの時代、求められるのは、人の助けになり、誰もが簡単に使えるような機械やシステムです。かつて製造現場には、機械好きの職人がいて、不具合が起これば修理し、製造ラインが止まってしまうような大きな故障が起きる前に、私たちメーカーに連絡を入れてくれました。それによって早めの対応が可能になり、そうした職人と当社のスタッフが意見を出し合って製品をよりよいものへと改良していくこともできました。ですが今は、製造現場にそうした職人の姿はありません。機械の不具合に気づかずに、大きな故障によって製造ラインが止まってしまえば大問題です。人が見逃してしまうような故障の予兆を、包装機が自ら発見し、アラートを出すことができれば、製造現場を大きく助ける仕組みとなるでしょう。
また、コロナ禍は製造現場から働く人を減らしました。もともと、仕事が大変だというイメージがある製造現場は、人が集まりにくい状況でした。にもかかわらず、せっかく集まった人員をコロナ禍で減らさなければならなくなったのです。2023年になって、ようやくコロナの影響が薄まり、人々の消費行動が活発になってきました。製造現場もフル稼働で製造を行うことができるようになりましたが、一度製造現場から離れた人たちは、戻ってくることはありませんでした。
今、製造現場ではこれまで以上に深刻な人手不足が発生しており、より少ない人員で効率よく製造できる機械が求められています。私たちはそうした製造現場の危機に応えるべく、少人数でオペレーションができるよう、新たな仕組みの開発に邁進しています。
世の中が変わる。ものづくりの仕組みも変わる。
テクノロジーの進化による働き方やライフスタイルの変化など、ここ数年で世の中は劇的に変わりました。
世の中がこれだけ変化しているのですから、当社のような「つくり手」も変わる必要があるはずです。
私は、ものづくりの仕組みそのものを、大きく変えていく必要があるのではないかと考えています。
想像もできない大きな変化は、ときに怖いものですが、「変化する」ということは「まだ見ぬ新しいものを見つける」ことでもあります。新たな発見に挑戦することは、とてもワクワクすることです。
私は当社を、そうしたワクワクを胸に、常に変化し続ける会社にしていきたいと考えています。既存のやり方に満足することなく、変化し続けることを皆が楽しめる、そんな会社であり続けたいのです。
豊かな包装体験を世界中に伝えたい
包装には大きく分けて3つの役割があると言われています。それが、「内容物の保護」「輸送や取り扱い時の利便性」「情報の伝達」です。包装機がまだ浸透していない市場にとっては、特に前述の2つの役割が重要となってきます。一方、すでに包装機を活用している国々において、包装が持つ「情報の伝達」という役割は、より大きなものとなっています。包装素材の質感、手触り、包装の形状・デザインなどによって、包装されている商品が本来消費者に伝えたいとコンセプトや価値を、わかりやすく明確に受け手に伝えることができるからです。突き詰めていくことで、包装によって商品の価値をさらに高めるブランディングにも繋がっていくのです。
日本において「包装」という言葉が “包み” “装う”と書くように、日本には “包む”だけでなく、“装う”ことも含めた包装文化があります。
当社では、海外、とくに欧米が持つ、包装=「package(梱包、荷造り)」といった、単に“包む”だけの意識から、一歩踏み込んだ、“装う”という日本の包装文化を世界に広めていきたいと考えています。
「包装」が製品を“包む”だけでなく、さまざまな装いを担うものでもあると考えれば、包装市場にはまだまだ大きな可能性と夢が広がっていると思うのです。
川島製作所は、お客様が抱える課題を当社の製品を通して解決し、お客様に笑顔になってもらいたい、お客様を喜ばせたいという想いを抱き、今、これまで世の中になかった新しい製品づくりの手法を考え、開発しています。
お客様が「困ったな」と思うことがあったとき、「カワシマならなんとかしてくれるだろう」と真っ先にイメージしていただけるよう、私たちはこれまで以上に真摯に、価値あるものづくりに取り組んでいきたいと考えています。そうした取り組みの結果、これまで「不可能」と言われてきたことが、当社の技術力によって可能になり、それによってお客様の課題が解決できるとしたら、これほど嬉しいことはありません。
私たちならできると信じ、知恵を絞り、工夫を凝らす。「そこまでやるか!?」とお客様に言っていただけるこだわりを持ち、新たな価値を生み出していきます。
モノづくりで世界を変える——。
2024年も、川島製作所へのご期待にお応えすべく、お客様、ものづくりに真摯に向き合い、お客様のさらなる発展に貢献してまいります。