お知らせ
CEOブログ これからの100年に向けた、川島製作所の新たな挑戦
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- Category:
- コラム
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- Date:
- Mar.3.2021
今回のCEOブログでは、
第1回 包装機メーカーの枠を超えていくために
第2回 チャレンジ精神こそ、川島製作所に流れるDNA
でも触れた、これから100年後の川島製作所のビジョンの一端、“包装機メーカー”から、“包装メーカー”になるためのチャレンジについて触れていきましょう。
変わらなければいけない理由
まちを歩けば、川島製作所の包装機で包まれた商品はいたるところに並んでいます。
前回も述べたように、その商品が置かれる現場は時代ごとに変わり、変化してきました。いま現在は、小売店だけでなく、インターネット通販の出荷を待つ工場も、私たちが関係する商品が置かれる主要な場所のひとつと言えます。
この“変化”も、企業として大切にしたい重要な要素です。
そもそも当社は元々製菓・製飴機械のメーカーとして始まり、戦後包装機メーカーに転身しています。これも、時代の流れに対応して変化したためです。
見方を変えれば、このような変化の結果、100年企業になれた、とも言えるでしょう。
私は、これからの100年を見据えたとき、既存の包装機をベースにした変化だけでは足りないと予想しています。テスラのイーロン・マスクによって、電気自動車や自動運転車の進化が一気に加速したように、包装機メーカー以外から、時代の変化に対応した、新しい包装の形が見出されていくようにすら思います。
そのとき、当社が時代に取り残されることなく、事業を繁栄させていくには、包装機メーカーから 「“包み”“装う”メーカー」へと進化する必要があります。
対話から生まれたフューチャーマップ
“包装”の概念を塗り替える挑戦の第一歩として、当サイトで公開しているのが「私たちが描く未来/KAWASHIMA’S FUTUREMAP」です。
このフューチャーマップは、社員の考える可能性を集約したものです。
企業の進むべき方向を考えるのは、経営者の重要な仕事です。ただ、未来の主役は次の世代ですし、真に新しい発想は常に若者から生まれるものです。
これからの川島製作所を背負っていく世代が、主体的にワクワクできるビジョンを描き、なおかつ当社の未来を考える仕事を「自分ごと」にしてほしいと思い、社員と対話しながら作成しました。そこでは「ラボラトリー」「宇宙向け包装技術」「医療向け包装技術」「タイムカプセル」「ファーム」「カフェテリア」「ファッションステーション」「パワープラント」「水中向け包装技術」と、多岐にわたった未来の姿を描き出しています。
その中のひとつには「川島製作所本社」の未来像もあります。
これまで磨き上げた専門知識と幅広い分野の技術を掛け合わせることによって、ありとあらゆるものを包むことのできる包装機を世界中に向けて生産・供給する。包装機がメイン事業であるにせよ、食品や薬剤など、現在の主流以外のものも包み装い、世界中に広げていきたい。そんな社員の想いがカタチとなっています。いかにも「未来!」という感じのイラストで私も気に入っています。もちろんまだ使える建物を無理に作り替えようとは思いませんが、私自身も本社を新設するときは、良い意味で機械メーカーに見えない本社家屋にしたいと思っています。また、新しく工場を作るときも、働く社員がワクワクするような新しい工場らしくない形がないかと考えています。そもそも「工場」と名づけると、機械しか生まれない場所になってしまいそうです。包装の未来を考える上では、始めのうちは包装機を作るにせよ、その場は「工場」という名前である必要はないのでは? いかにも工場、という感じの外見ではない建物にできないか? などと考えています。
我々の持つ包装機の専門知識と、幅広い分野の技術との掛け合わせを志向している点は重要だと感じます。2017年に世界一の座に就いた靴磨き職人である長谷川裕也氏は、他業種とコラボレーションすることで、靴磨きに付加価値を加え、新しい層に広める取り組みを積極的にされており、私はその姿勢に大きな刺激を受けています。
携帯電話とパソコンを組み合わせたスマートフォンのように、新しい発明は既存のものの掛け合わせからも生まれます。同じように、私たちの強みと、他の企業などが持つ強みの掛け合わせから、新しい包装のヒントが生まれる可能性もあると思うのです。自分たちの持つ強みの数も増やしながらも、同業他社のみならず、他業種とのコラボも意識していきたいと考えます。
なお、2021年4月に刊行する書籍では、私からの意見も添えて、“包み”“装う”未来をさらに深掘りしています。
荒唐無稽と捉えるか、面白そうだと捉えるか
このフューチャーマップ、当サイトでも公開しているのでみなさんにぜひご覧いただきたいのですが、ご覧になった方はどのように思われたでしょうか?
「いくらなんでも、荒唐無稽では」と思った方もいれば、「実現可能性はともかく面白そうだ」と思った方もいるかもしれません。あるいは、実現可能性どころか「数十年後にはもっと凄いことができるのでは?」と物足りなく感じた方もいるかもしれません。
ここで私がお伝えしたいのが、どんな可能性でも考え、受け入れる姿勢の重要性です。
私はその姿勢が、当社の未来はもちろん、人類の未来をも切り拓くと思っています。
産業革命以前で考えれば、そもそも包装機すら荒唐無稽な代物だったはず。しかし、地球で一番初めに「自動で包む機械を作れないか?」と考えた誰かがいたことは間違いありません。
もう一つ、大切な姿勢があります。それは、失敗を恐れないこと。
仮に数十年後、フューチャーマップに描かれたビジョンがまったく実現していなかったとしても、そのこと自体は問題ではないのです。
新しいビジョンや未来を想像することは、それだけで価値がある。
実現したのが他の人であっても、先進的な発想をした人に私は敬意を抱きますし、それが当社の人間であれば心から誇らしく思います。
もし、私が不満を言うとしたら、フューチャーマップの内容を「どうせ実現できないだろう」と思い、実現に向けての取り組みをしないことです。
私が一番といっていいほど嫌いな、否定から入る考え方です。
大前提として、失敗はチャレンジをしないかぎり起こりません。
失敗を恐れず、何度もチャレンジすることです。結果はもちろん大切ですが、その過程にも大きな意味があります。
人間はチャレンジすること、負荷をかけることでしか成長できません。
当社に入社してみたいと思う方はもちろんのこと、私たちが思い描く未来を「面白そうだ!」と感じていただけたなら、ぜひご連絡ください。
まったく別分野で活躍している方とのコラボレーションや化学反応も期待しています。
一緒に“包装”だけでなく、”包み“”装う“未来を作っていきましょう。